見える ということ

 

私の祖母は若い時分

狐に憑かれたと大叔母から聞いた

 

それは大袈裟な話かもしれないが、

ある人に見初められ

しかし、祖母は他に好いた人がいたため

その人の想い届かず

その人の生き霊が祖母をおかしくしたという話だった

真相は分からない

けれど、

祖母は他人の感情を受け易い人だったのかもしれない

 

私のひいおばあちゃんにあたる人は

村の拝み屋という相談役だったそうだ

 

ひいひいおじいちゃんにあたる祖母のおじいさんは、大きな稲荷神社の神主で、

しかし、突然精神をきたしその神社をつぶしてしまったらしい

それも真相は分からない

 

とにかく

私の家系にはそういった類の人間が何人かいたという事は確かだ

 

私の母は言霊の力が備わっている

 

この順番でいくと

私は精神をきたす番にあたる

 

そして息子の1人は言霊をもち、くじ運が良い

彼曰く「分かる」んだそうだ

 

私は

人の感情を受け易い

とても強い感情を持っている人に触ると

それをダイレクトに受け取ってしまう

美しい感情だけではない

憎しみ

悲しみ

怒り

それらを感じると具合が良くない

 

小さな頃はどうしていいか分からず、

ただ受け取っては周りを巻き込んで

結果病院に連れていかれストレスだと帰された

 

大きくなるにつれ、自分のスイッチをコントロール出来るようになり、周りに迷惑を掛ける事はなくなった

 

最近気付いた事だが、

私が満たされていると、勝手にオフになる

 

私はずーっと満たされずにいたから

自分の感情を閉じる事で意識的にオフにしてきた

うっかりボーッとしてしまうとスイッチが入ってしまい

そこら中の気が流れ込んで来てしまう

そして急な眠気に襲われる

具合が悪くなるよりはマシだ

 

それから、それぞれの人や街、物に目には見えない色を感じる

私には見える(感じてるが正しい気がする)から、ふと、人に話した時「何それ」と言われ

これは、声に出さない方が良いのだろうと口を閉ざした

 

あの男といた時、コントロールしてるだけでは追い付かなくて、絶えずやってくるものや見えるものが騒がしかった(霊的なモノは全くみえない)

 

子供たちは順番でいうと受け手ではないから

私の務めとして

言葉を出す時には慎重にするよう注意を促している

(普通の会話ならどうってことはない)

陽の言葉は良いが

陰の言葉は使わないよう厳しく躾けている

 

私は今

とても幸せで満たされている

何も見えず

何も感じない

ああ 楽チンだぁ

空が大きくどこまでも高く真っ青だ